9月7日(水)岬町立多奈川小学校2年生の子どもたちへの授業を通して
前日には台風による休校を心配しましたが、当日強風が吹く中、子どもたちとの出会いを楽しみに多奈川小学校に向かいました。幸いにして子どもたちも元気に登校しており、2時限(45分×2)の出前授業を行うことができました。
「ジェンダーと暴力」をテーマに2002年SEANが開発したこの人権教育プログラムは、これまでは主に幼稚園・保育所・中学校・高校・民間等で実施してきましたが、今回小学生プログラムとして構成しなおし小学校で提供させていただける事になりました。
ジェンダーとは「生物学的な性差」とは違い、「社会的・文化的につくられる性差」のことです。例えば、「女の子は、家事が上手で可愛く従順であってほしい」、「男の子は、泣いたり弱音を吐いたりせず、たくましく強くあってほしい」など、何気ない日常の中には様々なジェンダーが存在しています。大人からの期待は、子どもたちの将来に大きな影響を与えています。「女のくせにだめだ」「男なのに不甲斐ない」などの、自己否定につながることもありますし、「やさしさ」「従順」を求められる女性性と、「強さ」「たくましさ」を求められる男性性との関係におのずと力関係が生じます。それらは、「いじめ」「ドメスティック・バイオレンス」「性暴力」「児童虐待」「中高年の男性の自殺」などの暴力を生み出していると考えられており、このプログラムが最終的にめざすものは、子どもたちを暴力の被害者にも加害者にもせず、ひとり一人が大切にされる社会です。
授業では、まず子どもたちに「たくましい」「おとなしい」や「怒る」「泣く」といった言葉は、「女の子」「男の子」に分けられるのかを考えてもらいました。それに当てはまらないお友だちをいじめたり、暴言をはいたりしないよう、「みんな違ってみんな良い」ということに気づいてもらうことから始めました。そして、性別によって将来の職業は制限されることがないことや、「悲しみ」や「怒り」の感情は蓋をしてしまうと暴力になって爆発してしまうことがあることなど、パネルシアターや寸劇、詩の朗読などで楽しく進めていきました。
授業の中で感じたことは、子どもたちにはすでにジェンダーによる思い込みがあるということでした。しかし、お友だちのいろいろな意見を聴くことから視野が広がり、笑顔を取り戻していく子どもたちから私たちも元気をもらうことができました。
最後にひとり一人の将来の夢について尋ねました。「漁師」「旅館」など、土地柄を感じさせる微笑ましい夢も聴かせてもらえ、うれしくなりました。この授業を通して、ひとり一人が胸を張ってありのままの自分を生き、お友だちも大事にできるきっかけになればと思っています。そして、私たち大人はあるがままの子どもたちを受け入れ、その個性を最大限に育んでいく教育を保障していくべきであると改めて実感し、少し穏やかになった海を見ながら高槻への帰途に着きました。