「協働」を考える (no.103)
「協働」という言葉は、まだまだ市民権を得ている段階ではなく、使い方によっては混乱や誤解も
生じていることもあります。それゆえに、あえてこの言葉を使いながら、共通理念として 育てていきたいと思っている今日この頃です。
市民活動の中間支援組織の理事を務めながら、最近実感し始めたことがあります。
それは、「協働」とは、その事業そのものをさすのではなく、その事業にとりくむプロセスも含めて
「協働」と考えることの重要性です。
市民団体と、たとえば自治体が「協働」する場合、「課題は何か」「目的は何か」を共有し、
両者にできることを両者が主体的に提案し、取り組んでいくことが「協働」に求められていると考えます。
ですから、当然、「協働」においては対等な関係性と自立性は必要不可欠となる訳です。
全市民を対象としている行政は、全市的にサービスや情報の提供ができ、市有財産を保有し
活用できるというメリットがあります。市民団体は経験や専門性を持ち、当事者レベルや、
埋もれてしまいがちな社会的弱者のニーズを把握し、柔軟で多様なサービスが提供できる
というメリットがあります。
両者の特性を活かすべく「協働」を実現する為に、互いの位置づけの違いを理解し合い、
その上で意見を交換し、実践につなげていく、そのためのシステムづくりや場の設定が、
今一番求められているのかもしれません。
少し、話は変わりますが、SEANでは幼稚園・保育所や学校で出前授業としてG-Freeプログラム
(「ジェンダーと暴力」をテーマとした人権教育プログラム)を実施しています。
2003年度は民間の助成金により、無料で840名もの中高生に授業を提供しました。
2004年度は、授業の請負が実質有料となることから、はたして依頼があるかどうかの不安が
よぎりましたが、結果的には2003年度よりも多くの子どもたちに授業を提供することが出来ました。
子どもたちが暴力の被害者や加害者となる事件が後を絶ちません。
「男は強く、女は優しく」といった概念を問い直し、性別にとらわれず
「人として強く優しく」生きていく中で、暴力の連鎖を断ち切り、子どもたちが被害者にも加害者にも
ならずにすむためのこのプログラムのもつメッセージの必要性が、認識されつつあるのではないか
と思っています。
そして、この取り組みでも、今回のコラムのテーマである「協働」は学校(教職員)との
関係において必要不可欠です。
教職員とNPOスタッフが、共にジェンダーに関する子どもの課題を共有し、その課題を解決する為の
方法論や目的を共有し、実践する事は大事なことです。教職員に理解がないと、子どもたちが
混乱する場合もあります。
日常、子どもたちと関わる教職員と、特別な日に子どもたちと関わる第三者的なNPOスタッフとが、
信頼関係を築きながら最大限に力を活かしあうこと。
立場の違う大人たちが、信頼の元で協力しあいながら授業を実施し、打上げ花火的な取り組みに
終わらせることなく、日常レベルのかかわりの中で持続していってこそ、子どもたちの成長の中で
大きな意味をなしうるのだと感じています。
「協働」は、関係性の中で成立することです。そこに依存関係や上下関係があってはうまくいきません。
信頼の上での実践力が、「誰もが大切にされる社会」へとつながると信じ、これからもボチボチ
前進していこうと思っています。
いよいよ、2月26日(土)高槻市市民公益活動促進フォーラムが近づいてきました。
昨年度参加されたみなさんは、きっと「協働」についての認識が深まってきていることを実感されるはずです。 たくさんのご参加をお待ちしています。
2005.2.21 かえこ
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