あきらめなければ、いつか道は開ける(no.106)
「ジェンダーフリーという言葉はもちろんですが、ジェンダーに敏感な視点という、これも意味が
不明なんですが、同じようなふうに用いられておりますので、その辺も注意深く御指導いただきたい
と思います。」 3月4日の予算委員会での山谷えり子自民党議員の質問です。
日本では今まで、社会的・文化的につくられた性差という、「ジェンダー」の概念は一般的には
広く使われてきませんでした。ましてや、そのジェンダーから解き放たれるといった「ジェンダー・フリー」
という概念は、男女共同参画基本法の後押しで、ようやく広まりはじめたところでした。
「今までなかった概念であり、定義も曖昧だから、使わせていいのか」というのが山谷議員の
質問なのですが、政府のみならず多くの自治体や教育機関も、その質問に明確に答えられず、
自粛の方向に向かっており、DVや性暴力、児童虐待、中高年の男性の自殺など現状のさまざまな
深刻な問題のことを考えれば、なんとも情けない対応であるとの思いを強くしています。
かたや、ニューヨークの国連本部で開かれている「国連婦人の地位向上委員会」で、環境分野で
初のノーベル平和賞を受賞したケニア副環境相、ワンガリ・マータイさんが、女性たちによる
世界的『もったいない』キャンペーンを展開し、資源を効率良く利用しましょう」と訴え、
「日本語の『もったいない』を国際語に」という動きが生まれています。
どこの国の言葉であっても、現状の課題に必要な概念であるならば、その言葉を国際語として
広めていこうとする流れです。
ですから、山谷議員のような質問には、ジェンダーに関る様々な問題を明確にした上で、
「生きにくさを感じ、ジェンダーと向き合ってきた、当事者たちが育んできた言葉だからこそ、
生きた言葉であるので積極的に使用していただきたい」と、政府を始め関係機関のみなさんには
きっぱり言っていただきたいと思います。
そんな一連のバッシングの中、スケープゴードにされることを恐れ、性教育やジェンダーフリー教育は
じわりじわりと自粛の動きへと向かっています。
そんな中、SEANの仲間から誘われ、4月1日(金)日本産科婦人科学会市民公開講座に、
参加することができました。
1部から4部の構成で、定員800名、約6時間のプログラムでしたが、青少年の性の実態など、
たくさんの学びや気づきを得ることが出来ました。
現代社会の青少年は、あまりにも早く性的な意味において大人になり、それなのに正しい性の知識を
得るのが遅すぎる。親とは性の話はしておらず、口コミ情報や、間違ったメディアによる情報を
鵜呑みにすることで、性感染症や中絶は増え続けている。それらの問題は、日本・カナダ・米国・ドイツ
などに、共通する深刻な問題であると各国の専門家たちが語りました。
特に、日本での性感染症の増加は非常に深刻で、抜本的に性教育が行われない中、誰もが安易に
手に出来るコミックなどから「コンドームを付けないことが愛情のしるし」といった間違った情報を得、
ピア・プレッシャーが初体験を早めている。
満たされない思いを穴埋めするように、生で接触することで、精神的な密着や自信や安心を感じたい、
コンドームを所持していない、「付け方がわからない」「付けて欲しい」と言えないことで、コンドームを
使用しない、あるいはできないといった問題が起こっている。
ブッシュ政権が推し進めている禁欲教育で、成功した例はないと専門家が断言する中、日本でも
一部の政治家たちやメディアの成果として、性教育を自粛しつつあるわけで、次世代に大きな損害を
もたらすのではないかと専門家たちが一同に危惧していました。
六本木の診療所院長は、性感染症を予防するには
「学校でのジェンダー教育」「家庭でのプライド教育」「子どもへの安全教育」である
とはっきり断言され、とても心強く感じました。
マスコミの力は世界共通、子どもたちがそれらに振り回されることがないよう、一人ひとりが
かけがえのない命の存在であることを伝え、正しい知識を伝える中で、ゆがめられた性の
ステレオタイプ化を読み解く視点を、ジェンダー教育を通し、子どもたちに伝えていきたいとつよく思います。
へしゃげる事も多い今日この頃ですが、「あきらめなければ、いつか道は開ける」と信じつつ、
共感と行動のネットワークを広げていきたいと思います。 (2005.4.4 かえこ)
ブックレットになりました!!
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