『協働』てなんだろう?(no.202)
昨年、SEANでは大阪府職員研修として5日間の研修計画を立て府職員の方を受け入れました。
研修の最終日、「SEANに行政との協働の、いい実践例はありますか?」との質問をいただきました。
「残念ながら、継続的に事業を依頼され、任されるといった一般的にイメージする協働の実践例は
SEANにはありません。
けれども、保育や講師という単発の依頼をお引き受けすることがよくあり、SEANのミッションに
合致した目的を共有した上で、企画を立てていくプロセスから一緒に関わらせて頂いている講師 依頼は、私は『協働』だと考えています。」とお答えしました。
講師を請負う場合、「このタイトルで2時間お願いしたい」とまる投げされることが多く、場合によっては
目的や意図もよく理解できないまま当日を迎えてしまうこともあります。
「対象と目的は○○です。その内容で○コマの企画を考えており、最終到達したいのは○○なので、
関わって頂ける内容も含めてぜひとも力を貸してほしい」と、たくさんの思いと提供できる情報を
すべて提示して担当職員の方が電話をかけてこられる場合もあります。
本来なら、企画料が発生する事例なのかもしれませんが、行政が講座を企画する場合、
企画料が予算に含まれていない方が一般的であり、そこで踏みとどまると何も始まりませんし、
私としても依頼者や参加者のニーズに即した講座を実施できる方が納得できる訳ですから、
できるだけお引き受けできる方法を考えるようにしています。
SEANのミッションは、ジェンダー問題に取り組むことで「誰もがありのままの自分を生きられる社会」
を実現することです。そのミッションと依頼が合致するなら、それは『協働』であり、主催事業としても
取り組むべき内容であれば、引き受ける価値があり、労力は惜しまないというのが私の見解です。
ただ、組織経営において、安請け合いできない側面もあり、そこの兼ね合いを図りながら
率直に話し合える関係を、行政職員の方とつくっていきたいとも思っています。 また、「委託は協働か?」という議論もよく耳にします。
主体が行政であれば、請け負うNPOは下請け的な立場になってしまい、NPO側の理念に
そぐわない方向に向かってしまうという懸念があります。
行政側が補助金を交付する『協働』のための『協働』もまた、結局のところ課題共有や課題解決のための
目的共有もないまま、支援する側・される側といった不均等な力関係が生じてしまうことが
多いのではないでしょうか。
以前、教育についての勉強会で、講師の方が「今の教育は、本来は『手段』であるはずの学校が
『目的』になってしまっている」とお話されていました。 『協働』を考えるときもまた、同じことが言えはしないでしょうか?
本来、課題解決のための手段であるはずの『協働』が、手段ではなく目的になってしまっていないか、
そしてそのことから『協働』が『支援』に転じてしまい不要な力関係を作り出していないか、
その2つの視点で協働事業の評価を行う必要性を感じます。
課題や目的を共有し、その課題解決に向かって、互いの持つ情報・力量・制約などをせめぎ合う
のではなく、互いの持つメリットを活かし合うために、信頼関係を持って率直に話し合える場を まず作り出していくことが先決のような気がします。
さて、1月27日(金)14:00〜17:00、大阪NPOプラザ3階ホールにて「NPO協働フォーラムおおさか」
が開催されます。
15:00から行われるパネルディスカッション「事例から考える協働」の事例B「男女共同参画ゲスト
ティチャー養成・派遣(いずみさの女性センター)の事例報告で私も報告者としてお話させて
いただく予定です。
これから、市民・NPOと行政との協働なくしてまちづくりが語れない時代が来るでしょう。
試行錯誤しつつも、よりよい協働に向けて着実に前進していければと思っています。
2006.2.21 かえこ
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