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子育て支援とジェンダー 

 まちで子ども連れの家族を見かけると、子どもたちの自立と自律の成長に一喜一憂していた頃を
懐かしく思い出します。
 「のどもと過ぎれば…」の言葉通り、つらかったことや、しんどかったことよりも、楽しく、愉快だったことを
たくさん思い出すのですが、子育て真っ只中の人たちの声を聴くと、近所に子育て仲間を見つけ、
自分の子育てに「これでいいのだ」と確信がもてるまでは、孤独と不安の中で子育てをせざるを
得なかったことも思い出します。

 人格や意思を持った1人の子どもと向き合い、その子どもの成長の速度と足並みをそろえることは、
子どもや親としての自分の力や存在意義を信じられなければ、袋小路に追い込まれていくことになります。
 その長く感じてしまう道のりの中で、不安にかられ、時として自信をなくしながらも、親自身が共に
成長していくことが子育てなのだと思います。

 余談ですが、NPO運営に関わる中で、組織やまちの成熟に向けて、様々な考えを持ち、
歩む速度も違う他者と共に歩むことは、子育てとどこか似ているような気がする今日この頃です。
 
 さて、子育て講座を請け負う中では、子育て真っ最中のたくさんの「母親」たちとの出会いがあります。

 そこで出会う「母親」たちは、うまく子育てが出来ないこと、自分の人生を見失っていること、
様々な子どもが関係する最近の事件報道などが要因で、罪悪感や不安感で自信をなくしている場合が
多く見受けられます。

 「女」は、「気配り」「思いやり」など、子どもの頃から他者との関係で期待されることが多く、
「自分が」ではなく、「人が」といった視点で自分の生き方を選んでいくことを身に着けていく
ことが多々あります。
 けれども、社会からの性別役割期待は、「女」の場合、その位置づけによって異なり、
「男並みに働くこと」「良き妻であること」「良き嫁であること」「良き母であること」など
社会からの期待(ジェンダー)も実は1つではなく多様だったりする訳です。
 その他者からの期待に、過度に自分を当てはめようとすると、自己矛盾も生まれ、自分自身の
存在そのものに自信をなくしてしまうといったことが生じます。
 特に、自分の親から子ども期に期待されたジェンダーは、奥深く自分の考えや生き方に影響を
及ぼしており、そのしがらみからいったん開放され自律し、人生を自分の手に取り戻していくことの
重要性を今更ながらに実感します。

 子育て講座の中で、「あなたはあなたのままでいいんだよ」といったメッセージを投げかけた時、
涙があふれだす「母親」たちにもたくさん出会ってきました。
 子どもは10人いれば10人の個性や人格があります。その子どもたちと向き合う子育ては、
とてもエネルギーや根気が必要ですし、良い悪いということではなく、母親自身が自分自身の成育暦を
清算できていない場合もあります。

 公的な機関で、少子化対策とセットで子育て支援も取り組まれつつありますが、
ジェンダーの視点抜きで、取り組まれる子育て支援策には違和感があります。

 子どもたちの豊かな成長のために、ジェンダーの視点での親支援の必要性を投げかけ、
具体的な支援策を実行していければと思います。

                     2006.4.24 かえこ



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