「性行為(SEX)」と「性暴力」の違い(no.210)
先だって、5時間×3日間の人権研修をご依頼いただき、ワークショップのファシリテートを
請負わせていただきました。参加者のみならず、同行したスタッフを含め私自身や主催者の
みなさんも、たくさんの学びや人との暖かい出会いや共感を得ることができ、
今回もまた参加する人とともに作り上げていくワークショップの醍醐味や魅力を
再確認させていただきました。
通常、実施しているSEAプログラム(「ジェンダーと暴力」をテーマとした人権教育)は、
50分×4回で実施しており、その時間の制約の中では必然的にある程度内容を
絞り込まざるを得ない訳ですが、今回はたくさんの時間を提供していただけたことで、
今まで取り組みきれなかった「ジェンダーと『性』の商品化・性暴力」についてのワークを
組み込むことができました。
私たちは誰もが、命を持ったかけがえのない存在としてここに生きています。
本来「性行為(SEX)」とは、その命と命をつないでいくための、そして人と人との関係性を
豊かにするための行為なのだと思います。
ところが、日本では性教育が推進されるどころか、「性」を「秘め事」として陰の世界へ
追いやろうとする政治的な勢力が大きくなってきており、その反面、儲け主義の中で
女性性のみが「性」の商品として扱われ、買う側の快楽を追求するあまり性情報は
誤った形で氾濫し、「性行為(SEX)」と「性暴力」の違いさえ分からなくなってしまっている
のではないかと懸念します。
互いの自己決定と快楽を尊重し合い、思いやりと慈しみで関係を豊かにしようとする
「性行為(SEX)」と、相手の自己決定権を侵害し、自らの快楽だけを追及し、性を使って
相手のこころもからだも支配し服従させようとする「性暴力」とはまったく別の次元の行為です。
ところが、その二つの行為の違いが理解できていない人が、多くなっているような
気さえしています。
女性性のセクシュアリティと男性性のセクシュアリティのステレオタイプ化が、その混乱を
生み出す原因となっているのかもしれません。
性別を2分化したジェンダー社会では、女性性に求められるセクシュアリティは、
「純潔無垢」「処女性」とそれとは裏返しの「妖艶さ」や「誘惑する性」であり、男性性に
求められるセクシュアリティは、「性欲絶倫」「精力旺盛」などがあげられます。
それらは、実は現実の世界を物語っているわけではない神話であり、その神話を信じる中で
「性暴力」を現実の世界へと導き、その暴力性を容認してしまっているのではないかと
懸念しています。
「性」をもっと豊かにオープンに互いに語り合う中で、ひょっとしたら「性行為(SEX)」と
「性暴力」との違いが明確になり、「性暴力」への抑止力となるのではないかと思ったりする
今日この頃です。
さて、話は変わりますが、(財)大阪府人権協会の男女共同参画地域社会づくり支援事業の
助成を受け、「子どもが目にする雑誌の中の性情報」と銘打って夏休み直前企画を開催いたします。
Step1として、7月6日(木)10時〜12時、高槻市立総合市民交流センター視聴覚室にて
思春期保健相談士の伊藤悠子さんをお招きして、子どもたちの「性」の現状について
お話をお伺いします。
Step2.3としては、7月14日(金)10時〜15時30分、同センター第1・2会議室にて
ライフキャリアデザイン・アソシエイツの森野和子さんをお招きし、実際に買い揃えた
雑誌の中の性情報をのぞいてみようと思います。
まだまだ、「性」を率直に語れない日本の現状ではありますが、まずは作られた
「性」の情報をひも解く中から「性」と「性暴力」の違いについて考える機会になればと思います。 ぜひ、たくさんの方の参加をお待ちしております。
2006.6.30 かえこ
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