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「依存」「自立」と子どもの育ち(no.231)


 最近、「子どもの育ち」をテーマとする講座の講師をお引き受けすることが増えてきました。
そこで、私なりの考えをまとめてみます。

 私は1997年から約5年間、CAP(子どもへの暴力防止)の活動に取り組み、子どもへの暴力防止のための
子どもの権利について考えてきました。
 それと並行してSEANが請け負っている保育や、人権教育出前授業などで他年齢の子どもたちに出会い、
講座の中で子どもを取り巻く多くの大人たちの「子育て」「教育」の悩みにも出会い、そして子どもを
取り巻く「絵本」や「マンガ」などの情報についての調査も試み、それらの課題と直面してきました。
 また、私自身の子ども時代や、我が娘たちの子育て経験を通して、子どもには5つの権利を
保障すべきだと提唱してきました。

≪子どもの育ちで保障すべき5つの権利≫
 (1)存在意義を認められる権利
 (2)知る権利
 (3)考える権利
 (4)選ぶ権利
 (5)結果を引き受ける権利

 「生きている、ただそれだけで意味を持つ」子どもにとってそのことを
体感させてくれる大人の存在が何より必要です。
「きっと喜んでくれるに違いない」「こんなことをしたら悲しむだろうな」
と自分が存在することを無条件で受け止めてくれる人が一人いるだけで子ども自身に
生きていく力が生み出されますし、他者をも「かけがえのない命」として
認識することができるようになります。
 そこから出発すれば、多くの正しい情報や教えから学び、自ら考え、自分で行動を
選んでいくことができるようになります。
そして、選んだことの結果である評価も、失敗からの学びも自分の中で消化し、
「自立」したそして「自律」できる大人へと成長していきます。
 その繰り返しの中で、「誰のせいでもなく、誰のためでもない」、自分の人生の主人公に
なれるのだと思います。

 報道番組を見ていると、大人になって犯罪を犯すものが、親や社会への恨みを
口にすることが多く、「親が忙しかった」「一人親家庭だった」などの物理的な成育暦の問題に
着眼するコメントが多いことが気になります。
とても不幸な生い立ちで育った人の中で、犯罪を犯すものはほんの一握りの人たちです。
一見幸せそうな家族であっても、5の権利のどれかが保障されないこともよくあることです。
自分の行動は自分で選んでいるという実感がなければ、犯罪を犯しても悔い改めるどころか
恨み辛みを口走るだけで、加害者ではなく被害者であると主張してしまうことになります。

 また、「依存」と「自立」を考えるとき、女の子は「弱い」存在として「依存」することが許され、
男の子は「強い」存在として「自立」を促されて育ちます。
(1)は「依存」する関係性です。それが欠落したまま、(2)で「男は泣かない。弱音を吐かない」
といったジェンダーを学んでしまったら、当然(3)(4)の考えと選択もジェンダーにとらわれ、
人を踏みつけてでも「勝つこと」へのこだわりが強くなります。
「負け組み」となってしまった場合は、自分に存在価値が見出せなくなり、ひきこもりや自殺へと
追い立てられていきます。
(2)で私たち大人が、何を情報として提供するのかが問われます。
成長段階で、「依存」も「自立」も共に必要なことなのに、性別によって容認されたり求められたり
することが違うのは大きな問題だといえます。

 また、「母親役割」は「依存」を受けとめる役割、「父親役割」は「自立」を促す役割として
奨励する考えが、まだまだ多数派を占めているのも気になるところです。
上記の権利の(1)と(2)は大人に「依存」することで成立し、大人が(3)〜(5)を保障することで
「自立」が促されていくわけですから、役割を分担せず1人の大人の中に「強さとやさしさ」として
統合していくことこそが、子どもにとって「人として」のよりよいロールモデルとなれることです。

 活動を続ける中で、ジェンダーの視点で子どもたちに関わることが、子どもたちを被害者にも
加害者にもしないための防止になることだと確信を強めてきました。
 さらなる取り組みを続けていきたいと思っています。

             2008.6.30 かえこ  

:::::::【SEANのもぎたて情報】:::::::::

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≪SEAN主催講座≫
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  会場:ドーンセンター4階 中会議室
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     *DVD教材を使用した講座の実施をお考えの方は別途、上映権付DVDをご購入願います

2)予告:SEAプログラム実践者養成講座開催!
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≪一般公開されている依頼講座から≫
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1)(財)近江八幡人権センター主催
  7月7日(月) 19時〜21時
  「わたしがわたしであるために」講師:遠矢

2)兵庫県小野市男女共同参画センター
  7月10日(木)10時~12時
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  7月11日(金)14時〜16時30分
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   遠矢がパネラーの一人です
  7月12日(土)10時〜12時30分
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4)川西市教育委員会 教育情報センター主催
  7月25日(金)14時〜16時
  「DVを生み出す背景と予防教育の可能性」講師:遠矢

★報告書等のご紹介★
*名前・住所・冊子名(希望冊数)をメールでお知らせ下さい。
 振込用紙と冊子を送付させて頂きます。
 送料200円(封筒1cm以内・手数料含む)〜が別途必要になります。
 詳しくはSEANのHPをご覧下さい

1)中学生の「性」に関する意識調査
 〜性に関するよりよい学校教育のために〜
 (A4判8頁)100円

2)報告書「マンガ・雑誌の『性』情報と子どもたち」
 (4判102頁)1,800円
 *上記1)冊子の調査内容も収録されています

3)小学生向け教材DVD「わたしもボクも☆みんな活き活き」
  〜ひとり一人の違いを活かし合う関係づくり〜

 小学4年生の子どもたちの授業の実際の様子やアニメーションの映像を通して、
「気もちってなあに?」「気もちにフタをしていたらどうなるの?」「やさしさ」と「なかよし」や、
暴力の連鎖などについて学びます。上映時間18分
  *個人価格 2,000円
    ライブラリー価格 10,000円(上映権・貸出し許可付き)
  *送料 300円
 
4)現役子育てママ達でつくった「子育て」に関する調査報告書
  このままでいいの?今時の子育て支援
 A4判58頁 800円
  *「子育て」に関する母親122人のアンケート調査結果など

5)2006年度高槻市協働活性化モデル事業実施報告書
 やったらできた!!「協働」実践−子育て支援をジェンダーの視点で−
 A4判 全70頁 800円
  *高槻市立男女協働参画センターとSEANが協働で取り組んだ子育ち講座・情報ライブラリー・
   子育てママのグチグチ電話相談などの取り組みについて

6)『ジェンダーと暴力』の人権教育実践報告書
  人として強く、やさしく
  〜子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜
  SEAN G−Freeプロジェクト発行
  A4判174頁 2,000円
  *中高生の「ジェンダーと暴力」に関する意識調査分析
  人権教育の必要性と効果を見るための事前・事後アンケート対比分析
  講座録「子どものセクシュアリティと『性』をとりまく社会の現状」

7)啓発パンフレット(6.報告書ダイジェスト版)
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“こころ”に決めたことに男も女もないんや!
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 A3判1枚 フルカラー 50円

8)ジェンダーフリーで綴るNPO発信レポート
  「かえこのちょっと言わせて」
  (A5判52頁)各400円
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no226 首長の思想と手腕がものをいう
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no228 過不足のない「たくましさ」と「やさしさ」を
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