かえこのちょっと言わせて (no.95)

ジェンダーってなぁに?
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   「正しい」男女共同参画ってなんだろう?!

 「自分はジェンダーにとらわれていてダメだと思っていましたが、自分は自分でいいんだと
自信がつき、元気が出ました。」
 「帰ったら妻(夫)に思いやりを持とうと思います。」
 先日、依頼を受けて実施したおとな向けG-Freeワークショップ、参加者のみなさんが
最後のふりかえりの時に話された感想です。
 G-Freeプログラムはジェンダーそのものの善し悪しを問うものではなく、社会に根付いている
ジェンダーやバイアス(偏見や差別)に気づき、自分のジェンダー・アイデンティティを問い直すための
ワークショップであることを体感しての感想であると思い、嬉しく思いました。

 それらの感想に混じって、次のような話をされた方がいました。
 「『正しい男女共同参画を考える会』という団体から、何冊も冊子が送られてきました。
『ジェンダー・フリー』っていうのがどんな考え方かを知るために参加しましたが、
この冊子の内容がいかに歪曲した情報であるかが分かり、本当にきてよかったと思います。」
 このワークを実施した地域では、ただ今、条例策定のための審議会が開かれており、
バックラッシュ側の動きが活発になっているのだと理解しました。

 また、参加されていた方から、「正しい男女共同参画を考える会」が送付している挨拶状のコピーを
いただき、その内容を読んで愕然としました。

 「(前略)『男女共同参画』という一見誰も反対できないような美しい衣をまとった共産主義思想が
全国の県や市町村を席巻しており、我が県も例外ではありません。(中略)豊かな父母の愛を受けた子は
良き人となり、社会のため、地域のため、国のために貢献するようになります。(後略)」

 ジェンダーフリーは、共産主義思想でも、子どもたちへの愛を放棄する思想でもありません。
むしろ、カテゴリーによる画一化に疑問を投げ掛け、「個」の生き方を尊重することで、
親子・夫婦・仲間間などさまざまな関係性を豊かにする考えであると思っています。
ただこの挨拶文に書かれている通り、国のために貢献することを、最終目的としていないことだけは
間違っていないかもしれません。「個」の幸せがあってこその、「国」なのだと思うからです。
 「性別」や「国」ありきの思想は、「弱者」や「個」の犠牲はやむなしといった考えにつながる危険性が
あります。多様な「個」を尊重することは、全ての人の幸せや、権力構造を持たない多様性の
共存につながっていきます。
 ですから、この方たちが言う「正しい男女共同参画」とは、権力構造によってどうにか
保っている関係性の維持なのかもしれないと思えてきました。

 この挨拶文には、「子ども条例」に関して「追伸」という形で、以下のように付け加えがしてありました。
 「(前略)権利や自由の行使には、その結果に対する責任が伴いますが、責任能力の無い子供にも
大人と同じ権利を与えようとするこの動きは非常に危険です。(中略)ジェンダー・フリーと同じ根を持つ
「子ども権利条約」に対し断固たる姿勢をお持ちくださいますようお願いします。」

 この文章を読んで今起こっているバックラッシュは、今まで権利を剥奪されてきた社会的弱者が、
どうにかこうにか権利を主張できるまでになってきたことへの反撃なのだと理解しました。
 権利には義務の伴う権利と、義務の伴わない基本的人権とがあることをこの方はご存じない
のかもしれません。それに、「義務教育」の義務を、子どもの「義務」だとお考えなのではないかと
疑いたくなってしまいました。

 この会が配布している情報に、(親の声)としてこんな文章が掲載されています。
 「小学校5年生の子どもが突然『エイズってなに』と質問した。なぜ、と聞くと学校で習ったとのこと。
それにコンドームのことも知っていて、『これをつけるとエイズにならない』とも。コンドームさえ使えば
セックスしてもいいと考えているようで心配。(親の声)」
 どうやら、その発想がジェンダー・フリーはフリーセックスを推進しているとの考えに短絡的に
結びついているようです。エイズの問題の深刻さや、それに関わる差別の問題は知らされていない
現実があるわけですから、もしご心配なら「大事な話を聞いてきたんだね。」という言葉かけから、
その会話をきっかけにして親が適切な性教育を行なえばいいわけです。親が育った時代とは
違って今はSEX産業が子どもをもターゲットにしている時代であることを把握し、子どもたちを
犠牲者にしないために正しい情報を子どもたちに教育すべきだと思います。

 これらの歪曲された情報に出合うたびに、憤りを感じてしまいます。時間はかかるかもしれませんが、
草の根の活動の中でこれからどのような社会を私たちがめざしていくのかを、先に生きる大人の
責任として模索し、自らの生き方を通して行動にかえていきたいと思っています。
                     2004.10.1  かえこ


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