かえこのちょっと言わせて (no.98)

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『もう誰も死なないで』(no.98)

 アメリカの大統領選の結果を、願うような気持ちで見守っていました。
これを機に方向性が変わってくれるのではないかとの願いも虚しく、ブッシュ大統領再選の報道を
なかなか受け止められずにいました。
 そして、ファルージャでの包囲攻撃が始まってしまい、心を痛めながらもあきらめが日常化し、
他国で起こっている惨劇の異常さへの違和感が薄れていく自分の感覚に脅威を覚えます。

 ファルージャには、一般市民がたくさん住んでいると聞きます。想像してみて下さい。
家の周りに戦車が行きかい、空から爆弾が降ってくる日常のことを。
今日の1日が誰も殺されずに無事に過ごせるかどうか、身を縮めて祈るように過ごす日常のことを。

 11月13日付イラク・ホープ・ネット通信で、『もう誰も死なないで』という高遠菜穂子さんのメッセージが
配信され、転送・転載可であるということで会員の方がSEAN事務局にも転送して下さいました。
 そのメッセージの1部をみなさんにも紹介したいと思います。

***

 悲劇は日常的に起こる。ある家族が車で移動中に米兵2人に止められた。
2人の米兵は英語で家族に「車から降りろ!」と怒鳴った。英語のわからない家族は車から降りない。
一人の米兵が後部座席のドアを開け、座っていた娘の腕を引っ張り引きずり出そうとした。
運転していた親父は焦って米兵を撃ち殺した。それを見たもう一人の米兵が親父を撃ち殺した。
それを見た息子がその米兵を撃ち殺した。この話を聞かせてくれたファルージャの住民は
「死んだ理由はあるけれど、死ぬべき理由はどこにもない」と言った。
 恐怖に怯えていたか、イラク人を人間とみなしていなかったか、英語を話さない下等動物と思っていたか、
彼ら米兵は銃を向けて威嚇した。そこにわかり合おうとする試みも誤解を解こうとする余裕もありはしない。
こんな話が毎日いたるところで起きていた。
              (中 略)
 外国人武装グループが人質を処刑するようになって、ジャーナリストやNGOが激減して、
もぬけのカラになった所でタイミングよく米軍の「包囲攻撃」。どっちのやっていることもイラク人を
苦しめるだけ。なんでそんなに連携プレーでイラク人を苦しめるの?イラク人は助けを受けることも、
果ては水や食料を受けることも、雨期に入って寒さをしのぐ防寒具も受けられないままでいろと
言うのだろうか?「武装勢力」よりはるかに多い人々は「多少の犠牲はしかたない」という言葉で
片付けると言うのだろうか?「包囲」って恐ろしいっていうことをやっとわかってもらえただろうか?
それでもまだ、「人道支援を進めるためにはこの軍事作戦が必要だ」と言うのだろうか?
もう誰も死なないでほしい。米兵も、イラク人も、誰も彼も。

***

 日本人の青年も一人犠牲になりました。「人道支援」の名の下で送り出された自衛隊は、
たった一人の青年の命すら救うことができませんでした。

 暴力は繰り返され、力による支配は新たな力による支配を生み出します。
暴力的解決方法を続ける限り、命が幾らあってもたらないでしょう。
 暴力が連鎖するように、非暴力的解決策も連鎖します。暴力による支配ではなく、非暴力的解決策を、
どんなに時間がかかってもあきらめずに模索し実行に移す。
私たち人類は、人として成熟すべき時が来ているのだと思います。
 もう誰も加害者にも、被害者にもならないでいてほしい。そう願い続け、力による支配ではなく
互いの違いを尊重し合える社会を築く為に、少しでも私に出来ることをと思います。
                        2004.11.17 かえこ


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